【受験対策】共通テスト倫理・政経で9割を狙う独学勉強法まとめ

学校の授業だけで大丈夫かな…。

分量が多すぎて、どこから手をつければ良いか分からない…。

倫理・政経で共通テストを受験しようと考えている文系の学生さんは多いのではないでしょうか。

そこで今回は倫理・政経を選択した学生さんに向けて、独学で共通テストで9割近く得点するための勉強法をご紹介します。

この記事を読んで、倫理・政経を自分の武器にしていきましょう!

本記事の要点
  • 独学でも9割以上は取れる!
  • センター過去問を愛することがカギ!
  • 地道な努力がモノを言う!
執筆者の実績
  • 令和3年度共通テスト本試験において95点を獲得
  • 共通テスト模試では常に9割以上をキープ
本記事の結論

可能な限り早期の対策を心がけ、多くの過去問に取り組もう!

目次

倫理・政経の独学について

難関国立大学の文系学科を志望する学生さんはほとんどの場合、共通テストの地歴公民の科目選択において「歴史2科目」もしくは、「歴史1科目+倫理・政経」を選択することになります。

そのため、倫理・政経を独学で勉強して志望校合格を目指そうと考えている人も少なくないと思います。

そこでまずは私の経験を踏まえた、倫理・政経の独学についての前提知識をお伝えしようと思います。

独学はできる?

結論から言うと、倫理・政経の独学は可能です。

少なくとも、私は独学で受験しました。

しかし簡単ではないということだけ断言しておきます

倫理・政経は数学や英語ほど参考書などの教材が充実してもいませんので、しっかりと「自分の力で学ぶ」ことが大切になります。

適切な学習開始時期は?

当然ながら学習のスタートは早ければ早いほどよいため、理想をいえば大学受験の1年前あたりからコツコツと勉強を進めることが望ましいです。

ただし、学校の授業の関係でなかなか受験勉強がスタートできない場合もあると思います。

そんな場合でも、学校の授業で学んだところまでは少しずつ参考書などで復習しておきましょう。

本番試験の直前2・3ヶ月から学習を開始しても絶対に間に合いません。

無理を悟って諦めるか、相当の地獄を見ることになるでしょう。

短期間でまとめて勉強するよりも、長期間でコツコツやる方が記憶にも定着しやすいので、早め早めに対策をしていきましょう。

遅くても3年生の6月くらいには受験勉強を開始してください!

倫理・政経の科目の特徴

倫理・政経を学ぶ場合、初めて触れる分野である人が多いでしょう。

そこでまずは、倫理・政経という科目の特徴を解説します。

倫理の特徴

まずは「倫理」という科目の特徴から解説していきます。

特徴①:暗記だけでは点が取れない

倫理分野は政経分野と比較して分量は少なめですが、「単純暗記でパパパっとやって終わり!」という甘い話はありません。

あくまでも理解中心の分野という事実を念頭においてください。

逆に言うと、一度理解してしまえば比較的に点が稼ぎやすい分野であると言えます!

それぞれの人物がどういう立場・主張なのか、時代の背景などを踏まえつつ理解を進めましょう。

そうすることで、揺るぎのない知識を獲得できるはずです。

特徴②:基礎固めが大事

共通テストで出題される問題の難易度の割合は、やさしめ5割・標準4割・めちゃめちゃマニアック1割といった印象です。

つまり、やさしめ〜標準くらいで問題の9割程度を占めています。

ですから、倫理分野は基本を忠実に固めていけば、本番でも9割以上の点数が望める難易度設定がされていると言えるでしょう。

倫理分野で大事なのは基礎を固めることです!

難問には惑わされず、模試や過去問で頻出の内容をしっかり復習して学習していきましょう。

政経の特徴

続いて、政経分野の特徴についてです。

特徴①:高得点のカギは政経

政経分野は政治経済で大きく二分されます。

政治分野は暗記で済ませられることが多い一方、量が多いです。

経済分野は深い理解を求められることになります。

その分、量は政治分野に比べ少ないのが特徴です。

政経分野の特徴

  • 政治分野の特徴
    →暗記で中心だが量が多い
  • 経済分野の特徴
    →量は少ないが深い理解が求められる

はっきり言って倫理・政経で高得点を取る肝となるのは政経分野です。

政経を攻略出来ない限り、倫理・政経で9割の壁は越えられません

書店の学習参考書コーナーに行ってみると、政経の参考書の数が倫理の参考書の数より圧倒的に多いことに気付くでしょう。

また、多くの私立大学の独自試験では、公民科目は政経のみといった出題形式がほとんどです。

このように一般的に見て政経の方が科目としてウエイトが高い、つまり相当な分量を学習しないといけない現状が存在します。

特徴②:易問は少ないが難問も少ない

共通テストでは、基本的に政経分野では鬼問は出題されないと断言できます。

つまり、基本を徹底すれば政経分野では満点レベルまで到達できます。

しかし全てが易問という訳ではなく、難易度の割合はやさしめ1割・標準9割といった印象です。

圧倒的に標準問題で構成されているので、全体としてはなかなか手強いといった感じです。

苦手を作らないように、満遍なく勉強していきましょう。

倫理・政経の勉強法

倫理と政経の特徴をそれぞれ確認したところで、次は勉強法を解説します。

倫理の勉強法

まずは倫理の勉強法からです。

勉強法①:教科書・参考書で理解する

倫理の勉強は、丁寧に教科書または参考書をじっくりと読み込むことから始めてみてください。

教科書を読む時に注目してほしいポイントは以下の3点です。

  • 思想の「流れ」
  • 思想の「潮流」
  • 思想の「歴史」

完璧でなくていいので、目安は4割くらいの理解度を目指しましょう。

これすらできずに暗記や裏ワザに走るようでは本番で”必ず”ボロが出ます。

まずは理解を徹底してください。

特にカントやヘーゲルらのドイツ観念論は最初は理解するのが難しいとよく言われます。

めげずに教科書、参考書、インターネット上の参考資料など駆使して理解に努めましょう!

勉強法②:思想家とキーワードをリンクさせる

テキストを1周から2周ほど読み終えたところで次にやることは、各思想家の名前と思想、キーワードを完璧にリンクさせる作業です。

テキストを読んだことで倫理分野の全体像がある程度掴めていて、思想家達の名前と考え方やキーワードがそれぞれ頭の中にふわっと浮かんでいることでしょう。

例)古代ギリシア自然哲学者のタレスの場合
思想・・・「万物の根源は水である
キーワード・・・「古代ギリシアアルケーミレトス学派」など

この作業では、英単語を覚えるような作業を意識してください。

「思想家の名前」から「思想・キーワード」、逆に「思想・キーワード」から「思想家の名前」のように、どちらの方を聞かれても答えられる状態が理想です。

この作業を効率的に行うためには一問一答などが有効です。

自分でまとめたノートなどもいいでしょう。

よくやってしまいがちですが、順序をすっ飛ばしてこの作業を一番先にやることは避けてください。

まずは先に教科書・参考書で基礎を理解してからこの作業を行いましょう。

何度もしつこいですが、必ず先にテキスト類の読解を優先してください。

勉強法③:センター試験の過去問を解く

ここまで来れば、いよいよ最後の詰めです。

やるべき作業は、センター試験の倫理の過去問をガンガン解くことです。

センター試験特有の問われ方、難易度を肌で感じてください。

私が受けるのは共通テストだから、センター試験の過去問をやっても意味ないじゃん!

と思う人も当然いるでしょうが、安心してください。

私が演習作業で利用したのはセンター過去問”のみ”です。

それだけで、共通テストでは倫理分野で満点がとれました。

センター試験の問題は、予備校の模試や市販の問題集と比べて非常に精緻に作成されているため、基本をおさえたり演習を行うのにうってつけです。

確かに共通テストでは実際に出題のされ方というのは、どちらかと言えば思考力重視に変わりました。

しかし、上記の勉強法をしっかり実践し、基本を理解していればそれほど大きな問題はありません。

政経の勉強法

続いては、政経の勉強法です。

勉強法①:教科書・参考書を読み込む

倫理と同様ですが、まずはテキストを読み込んでください。

ポイントは4つあります。

テキストを読むときのポイント
  1. 経済分野から勉強を始める
  2. とにかくナゼを解明する
  3. 用語の定義を確実におさえる
  4. 重要資料やグラフを頭に入れる

それぞれ詳しく解説していきます。

ポイント①:経済分野から勉強を始める

テキストを読むときは、経済分野から学習を始めてください。

政治分野から始めると分量と暗記事項の多さにうんざりし、経済分野にたどり着くころには挫折もしくは飽きてしまいます。

私も実際に政治分野から学習を始めて後悔しました。

小さな工夫が意外と大きな結果を招くことがありますので、まずは経済分野から読み始めてみましょう。

ポイント②:とにかくナゼを解明する

経済分野で意識することは、とにかくナゼを解明することです。

例)なぜ円高になると貿易収支が赤字になるか、なぜ国債を日銀が引き受ける(買うこと)がNGなのか など

これらのナゼを自分なりに発見して、理由を説明できるまでテキストを読み込んでください。

ポイント③:用語の定義を正確に覚える

政治分野で意識すべきは、用語の正確な定義を覚えることです。

大事なのは、言葉をただそのまま覚えないことです。

その用語の背景まで把握するように意識してみてください。

ポイント④:重要資料やグラフを頭に入れる

これは政治分野にも共通することですが、テキストに掲載された重要資料、グラフ、データを確実に頭に入れてください。

なぜかこの作業を面倒だと飛ばす人が多いです。

共通テストでも資料問題やグラフの問題が出題されますので、しっかりと頭に入れるようにしましょう。

勉強法②:センター試験の過去問をやってみる

上記の作業を終えたところで、次にセンター試験の政経の過去問を”5年分”やってください。

これは演習のためというより、自分の弱点分野を確認するために行います。

間違えた箇所を逐一メモを取るようにして常時確認できる状態にしておくことが理想です。

そこで間違えた箇所が多い分野を参考書、テキストで何度も読み直しましょう。

これはモグラ叩きのようなイメージです。

どんどん出てくるモグラ(自分の弱点)を叩いて叩いて叩きまくりましょう!

勉強法③:最後の仕上げをする

5年分解き終わったところで、それまでの点数やその場の状況に応じて、次のどちらの行動に移るかを判断しましょう。

・残りのセンター試験過去問を解き続ける
・一旦解くのをやめてテキストの細部を読み込む作業に入る

この時点で残り日数が間もなければ前者の方法で、余裕があれば後者を行うというような感じでいいでしょう。

大事なのは本試験の開始ギリギリまでに、どれだけ情報整理や用語理解が完璧に近い状態に持っていけるかです。

自分の実力と試験本番までの時間を考慮し、適切な勉強法を選択するようにしましょう。

学習の際の注意点

せっかく正しい勉強法を身につけたとしても、それらを上手に活用できなければ点数UPは望めません。

そこでここからは、倫理・政経の勉強法を実践するにあたり、気をつける点を解説していきます。

倫理・政経を勉強するに当たって注意する点は大きく分けて3点あります。

注意点
  • 最後の単元まで気を抜かない
  • 色々な問題集に手を出さない
  • 時事問題を追いすぎない

順に解説していきます。

注意点①:最後の単元まで気を抜かない

これは倫理・政経分野共通で言える事柄なのですが、テキスト最後の方の単元の達成度・理解度で差がでます。

誰でも最初の方の項目は目にする回数が多いので、ほぼほぼ覚えていることが多いのですが、最後の項目は結構抜けてることが多いです。

例えば倫理では日本、西洋の現代思想のあたり、政経では国連関連、軍縮問題、世界経済などです。

くれぐれも

気合が入っているのが初めだけで尻すぼみになってしまった…

ということがないように注意しましょう。

注意点②:色々な問題集に手を出さない

問題演習を行う際に最も避けるべき方法は色んなものに手を出すことです。

色んなものに手を出すのは無駄に時間とお金が掛かります。

同じものを何度も解き直して復習する方が安上がりで何倍も効果があります。

Tips:テキストはさまざまな種類に目を通そう

テキストに関して(特に政経の参考書は)一つのものにこだわる必要がありません。

著者の解釈が左や右に極端に傾いていることが多くて、私は嫌でした。

購入しなくても良いので、本屋さんで立ち読みしてさまざまな記述に目を通すことをおすすめします。

注意点③:時事問題を追いすぎない

最後に時事問題についてです。

時事問題を追いすぎてはいけません。

難関私大になると時事問題を徹底して追わないと戦えないですが、共通テストではそこまで追求しなくても良いです。

まずは基本項目の理解と暗記を優先しましょう。

ただし、私立大学を「政経」で受験する人は、少しだけ時事問題に触れておくと有利になります。

倫理・政経の参考書の選び方

効率的な勉強に大事なのは、「正しい勉強法」と「自分に合った教材」です。

ここからは教材の選び方を解説します。

メインテキストの選び方

メインテキストに関して、倫理は教科書以外に追加購入する必要はありません

教科書は薄いですが、必要なことは全部載っていますのでとことん読み込んでください。

問題は政経です。

簡潔に記述されすぎで、逆に教科書だけでは少し物足りません。

ですので、政経に関しては参考書を活用しましょう。

どの参考書も充分な情報量ですが、より詳しい説明と重要なグラフ、データが十分に掲載されたものを購入すると良いでしょう。

サブテキストの選び方

続いてはサブテキストの選び方についてです。

倫理に関しては「一問一答形式の参考書」を利用して下さい。

これはテキストの薄さにこだわるようにしましょう。

後で詳しく紹介しますが、『センター「倫理、政治・経済」一問一答2500―ともかく覚える重要語』がおすすめです。

一方、政経に関しては学校配布の統計資料集が無ければ、追加で購入するくらいで十分です。

倫理・政経のおすすめの参考書

ここからは具体的におすすめの参考書を紹介していきます。

テキストを選ぶ際の参考にしてみてください。

センター試験過去問題集

まずはセンター試験過去問です。

優秀すぎるので最優先で確保してください。

問題演習のメインはこれで決まりです。

ここでご紹介している2冊は、センター試験と共通テストの過去問が共に収録されていますので、共通テストの問題も解いておきたい人にもおすすめです。

他にもさまざまな出版社が問題集を出していますので、時間に余裕がある方は本屋に行って自分に合った問題集を探してみてください。

メインテキスト

メインテキストは以下の4つがおすすめです。

どれも個性的で記述もクセがあります。

本屋に行ってみて、それぞれ読んでから比較検討して一番しっくりくるやつを買うようにしてください。

私は全部購入して読んでいました!

センター「倫理、政治・経済」一問一答2500―ともかく覚える重要語

ページ数198ページ
出版日2011/7/1
レベル基礎~標準
こんな人におすすめ独学で倫理・政経を勉強する人

一問一答のテキストは『センター「倫理、政治・経済」一問一答2500―ともかく覚える重要語』がおすすめです。

このテキストはかなり薄いため、周回しやすいです。

ただでさえテキストが分厚いのに、一問一答のテキストまで分厚いとやる気を無くしてしまいますよね。

そのため、一問一答のテキストは薄めのものを選択するようにしてください。

まとめ

最後に本記事の内容をまとめておきましょう。

  • 独学で受験は可能!ただし早めに勉強を開始しよう。
  • 教科書・参考書を読み込もう
  • センター過去問を徹底的に解こう

最後に少し昔話をします。

エウクレイデスは、古代エジプトの都アレキサンドリアで幾何学を教えていました。

あるとき、エジプト王のプトレマイオスが、エウクレイデスに「幾何学を学ぶのに、おまえの著書『原論』を読むよりも簡単な方法はないか」と尋ねたところ、エウクレイデスは「幾何学には王様のための特別な道などございません」と答えたといいます。

つまり学問に王道といった安易な方法は無く、修得するには苦労を要するということです。

楽な道を探そうとするのではなく、地道にコツコツ勉強を続けていきましょう。

またベストプランでは現在、無料相談を受付中です。

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この記事を書いた人

ベストプラン元講師。九州大学経済学部在籍。あらゆる戦略を尽くしてE判定から志望校に逆転合格したストラテジスト。

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