古文の勉強法を解説|古文の特徴やおすすめの参考書も紹介します

登場人物の中で誰が話しているのか全然わからないよ…。

古文常識とかって勉強したほうがいいの?

同じ日本語のはずなのに、不思議と読めないのが古文という科目の特徴。

単語は分かるものが多くても、文章は全く分からないという経験をしたことがある人も多いと思います。

そこで本記事では古文が苦手な人向けに、点数につなげるための勉強法をご紹介します。

本記事を読むことで、古文が苦手な人も何から勉強すれば良いか分かります。

一緒に古文の苦手を克服しましょう!

本記事で分かること
  • 文法はなるべく早くマスターしよう!
  • 古文常識で点数に差がつく!
  • 古文を勉強する際は4つのステップで取り組もう!
執筆者の実績
  • 共通テスト国語で9割越え
  • 京都大学法学部に現役合格
本記事でいちばん伝えたいこと

古文常識はすごく大事!

古文の定期テスト対策記事もあわせてご覧ください。

目次

古文という科目の特徴

まずは古文という科目の特徴を解説していきます。

古文単語は英単語より厄介

中学や高校の勉強で単語というと英単語と古文単語の2つがありますが、実は英単語より古文単語の方が厄介なんです。

確かに覚えるべき単語の数は、英単語の方が圧倒的に多いです。

しかし、単語のややこしさでは古文単語に軍配が上がるでしょう。

その理由は、古文単語には以下の3種類が存在するからです。

  1. 現代語と意味と読みが同じ単語
  2. 現代語と読みは同じだが意味が違う単語
  3. 現代語と意味も読みも違う単語

中でも特に厄介なのが「現代語と読みは同じだが意味が違う単語」です。

例えば、【驚く】は「読みは同じだが意味が違う単語」の1つです。
現代では『びっくりする』という意味ですが、古文では『はっと気付く、目覚める』という意味になります。

このような単語は意識して読まないと、現代語の意味のまま素通りしてしまいます。

古文単語は英単語以上にしっかり勉強しておかないと、気付かないうちに全く違う解釈をしてしまいかねません。

現代と文化が全く違う

2つ目の古文の特徴と言えば、その独特の世界観でしょう。

古文の世界と現代では、文化が大きく違う場合があります。

現代では行われていないような儀式が、古文の世界では日常的に行われています。

急に「方違え」なんて単語が出てきたところでイメージが全く付きませんよね。

このように、古文の勉強では「古文常識」の学習が必須になります。

古文世界の文化を知らないと、わけが分からなくなってしまうからです。

Tips:「方違え」とは?

先ほど登場した「方違え」は古文の世界では良く出てきます。

「方違え」とは以下の通りです。

陰陽道おんようどうで、外出するときに天一神なかがみ金神こんじんなどのいる方角として避け、前夜、他の方角で一泊してから目的地に行くこと。平安時代に盛んに行われた。

コトバンク

簡単に言えば、一度別の方角を経由することで、縁起の悪い方角に進むことを避けることです。

現代ではあまり意識されませんが、古文の世界では日常的に意識されていたようです。

誰のセリフか分からない

3つ目の特徴にして古文最大の難関ポイント、それは「セリフが誰のものなのか分かりにくい」というものです。

これが本当に問題で、

・急に新しい登場人物が喋りだす
・セリフの中に誰かのセリフが入っている
・時には長いセリフの中で一言だけ違う人が喋っている

上記のようなことが古文の世界では頻繁に起こります。

また、古文ではたびたび主語が省略され、文の途中で主語が変わることもあります。

気付かないうちに主語が変わっていた結果、セリフの発言者を誤って解釈してしまうと大変です。

これも、古文をより一層難しくしている理由の1つでしょう。

高校古文のポイント

ここからは、高校古文を理解する上で大事なポイントを解説していきます。

まずは単語と文法

まず最初にしなければいけないのは、基本である単語と文法の勉強です。

兎にも角にもこれが理解出来ていないとお話になりません。

特に文法では細かい知識が点数を非常に大きく左右します。

古文の問題は英語の長文とは違い比較的短いことが多いです。

そのため、一部分でも理解できない、あるいは意味を間違って理解してしまうとそれだけで致命傷になってしまいます。

古文が読めない、理解できないという人は最優先で単語と文法を復習しましょう。

古文常識で差がつく

先ほど述べた通り、古文の学習では古文常識と呼ばれるものがかなり重要です。

古文常識・・・古文問題の舞台となっている時代の文化や風習などのことです。

いくら単語や文法が完璧でも、登場人物たちの行動の意味が分からなければ結局、本文全体を通して内容が理解できず、簡単な選択問題で間違ってしまいます。

そのため、単語や文法とともに古文常識もできる限り学習しましょう。

Tips:古文常識の具体例

ここでは少しだけ具体例を挙げて、古文常識とは何なのか確認しましょう。

今回は結婚についてです。

古文では男女の恋愛を題材にした物語が出題されることが多いですが、当時の貴族たちはどのように恋愛をしていたのかご存知でしょうか。

詳細は省きますが、結婚までの流れは以下のようだったそうです。

  1. 屋敷にいる女性の姿を覗き見る
  2. 和歌でやり取りする
  3. 三夜続けて会う
  4. 結婚!

現代のように何度もデートを重ね、ようやく結婚するなんてことはなかったようです。

また、当時の貴族の女性が街を出歩くことはほとんどないため、曲がり角で偶然ぶつかり恋に落ちる…なんてこともありません。

そもそも貴族の男性と女性が直接顔を合わせることが、すでに結婚直前でした。

古文において「見る」という単語に「結婚する」という意味があるのはそのためです。

このように、結婚というもの一つとっても、現代とは風習が大きく異なります。

古文常識を学ばなければいけない理由が伝わったのではないでしょうか。

日本史と合わせると覚えやすい

古文作品には色々なジャンルがあります。

中でも軍記物と呼ばれるものの中には、日本史に出てくるような実際の戦に関連するものもあります。

例えば平家物語などがその代表ですね。

そのため、古文の問題を解いている時に日本史の知識があると、出来事や登場人物や本文にはなっていない知識などを活用することで文章を理解しやすいこともあります。

高校古文の勉強法

ここからはいよいよ、古文の勉強法を解説していきます。

STEP1:単語は1日で20個覚えよう

先ほども少し述べた通り、古文単語は量自体はあまり多くありません。

単語帳にもよりますが、受験に必須な単語はだいたい200〜300単語ほどです。

なので、1日で20単語暗記するペースだと10日〜15日ほどで1周できますね。

1ヶ月で2〜3周はできるので、基本的な単語はすぐに覚えることができるでしょう。

基本的な単語を覚えた後は難しい単語を覚えてもよいですが、文法や古文常識が固まっていない人はそちらを優先するようにしてください。

STEP2:文法はできれば2週間で覚えよう

古文において、文法は単語と同様に全ての基礎です。

これができていなければ当然高得点は狙えませんから、もし文法を覚えきっていない人は早急に覚えてしまいましょう。

また、最初から難しいことはしなくてよいです。

最初は助動詞などから初めていくのが鉄板で、徐々に細かな知識を得ていきましょう。

そして、文法の勉強においては敬語は絶対に覚えなければいけません

一見誰のセリフか分からない文章でも、よくよく敬語に注目してみると実は分かったりします。

というか、セリフの判断はほとんど文脈か敬語です。

なので、何度も言いますが敬語を含め、文法は絶対に学びましょう。

STEP3:古文常識を覚えつつ選択問題を演習しよう

単語と文法をある程度学習したら、いよいよ問題演習に入りましょう。

初めは選択問題から解いていくようにしてください。

数個ある選択肢から正解や不正解を選ぶ練習を通して、本文を素早く正確に理解する練習ができるはずです。

また、先ほどから何度も古文常識を学ぶのは大事だと言っていますが、実は古文常識は覚えにくいものです。

単語のように1対1では覚えられないし、時代や地域によって内容が違うこともあって数がなかなか多いのです。

そのため、参考書を用いると同時に、実際に問題を解きながら覚えていくやり方が効率的です。

STEP4:記述式問題で演習しよう

選択問題をある程度こなせれば次は記述問題です。

受験で記述問題がなければ無理にこのステップを踏む必要はありません。

ただ、やって成績が下がることはないので、余裕のある人には問題の形式に関わらずぜひ取り組んでいただきたいステップです。

記述問題には本文を理解する力だけではなく、まとめる力も必要です。

古文の場合は現代文のように長い文章からキーワードを抜き出すのではなく、短い文章から様々なことを導き出し、文章にする必要があります。

これをできるだけ素早くできるようになるためには何度も何度も練習する必要があります。

古文のNG勉強法

次に、やってはいけない古文の勉強法を紹介します。

今回ご紹介する内容を参考にして、今一度ご自身の勉強法を振り返ってみてください。

問題演習をしない

これは古文に限った話ではないですが、知識を持っているからと言って問題が解けるとは限りません

・その問題で何が問われているのか
・時間内に解くためにはどのくらいのペースで解けばいいのか

これらのことは実際に演習してみないと分からないものです。

それに、国語の問題には古文だけでなく漢文や現代文もあります。

なので、古文で分からない問題があった場合、その問題は捨てなければいけないこともあります。

そういった判断力も演習を通して養うことができるでしょう。

フィーリングだけで解こうとする

国語が得意な人の中には直感やフィーリングだけで問題が解けてしまう人もいます。

現代文が得意な人や古文が得意な人などそれぞれですが、どの人にも言えることは「その直感は本番では必ずしもあてになるとは限らない」ということです。

定期テストや模擬試験ではフィーリングで大丈夫でも、受験の本番ともなれば状況は大きく違います。

まだ次がある試験と違って受験本番は一発勝負です。

よほど肝の座った人でなければいつもと同じように解くことはほぼ不可能でしょう。

ですので、フィーリングに頼らない読解能力を養っておく必要があるのです。

【用途別】古文の学習に使えるおすすめの参考書

最後に古文の勉強におすすめの参考書・問題集を紹介します。

  • 古文常識
  • 単語
  • 文法
  • 長文読解

上記の4つに分けて、用途別に紹介していますので、皆さんの苦手に合わせて参考にしてください。

【古文常識】読んで見て覚える 古文攻略マストアイテム76

ページ数240ページ
出版日2017/12/5
レベル基礎~標準
こんな人におすすめ・受験で古文を使う人
・古文常識が分からない人

古文攻略マストアイテム76」には基本的な文法だけでなく、古文常識など古文において必要な知識が詰め込まれています。

問題演習をしながらこの参考書を読むことで古文常識で困ることはほとんどなくなるでしょう。

【単語】マドンナ古文単語230

ページ数245ページ
出版日2013/2/26
レベル基礎
こんな人におすすめ・古文が苦手な人

マドンナ古文単語230」は数ある単語帳の中でもトップクラスに覚えやすいです!

本当に必要な単語を絞って紹介しているので本当に効率的な上に、全体にかわいらしいイラストが付いているので頭に残りやすいです。

しかし、単語数を絞っているだけあって本当に基本的な単語しか載っていないので、古文が得意な人や難関大学を目指す人にとってはかなり物足りないでしょう。

ただ、古文が苦手な人にとってはとても心強いです。

【文法】マドンナ古文

ページ数253ページ
出版日2013/2/26
レベル基礎~標準
こんな人におすすめ・古文が苦手な人
・基礎を固めたい人

古文の文法の参考書であれば「マドンナ古文」がおすすめです。

小難しい文法事項を高校生にも分かりやすい言葉遣いで、語呂合わせなども駆使しながら解説しています。

一章ごとに練習問題があり、解説も分かりやすいうえに単語もまとめられているので、この参考書を使っていれば確実に古文の力をつけることができます。

コラムもかなり面白いのでぜひ読んでみてください。

【長文読解】大学入試 全レベル問題集

ページ数120ページ(基礎レベルの場合)
出版日2020/2/20
レベル基礎
こんな人におすすめ・自分に合ったレベルの問題を解きたい人
・問題演習を重ねたい人

長文読解におすすめの問題集は「全レベル問題集シリーズ」です。

レベル別に4冊販売されていますので、ご自身のレベルに合った問題で演習を重ねることができます。

解説も充実しており、問題を解きながら単語や文法を学べるつくりになっています。

長文読解用の問題集はこのシリーズから選ぶことをおすすめします。

古文の受験勉強法まとめ

本記事では古文の勉強法について解説してきました。

最後に本記事の内容をまとめておきます。

  • まずは単語と文法を学習しよう!
  • 古文常識をバカにしてはいけない!
  • 問題演習を重ねて基礎の復習と応用力を鍛えよう!

古文は基礎がおろそかになっていると、どんどん苦手になっていきます。

まずは基礎を固めることから始めましょう。

そして、独特な世界観の物語を楽しめるようになれば、皆さんも古文の奥深さに気付けるはずです!

また現在、ベストプランでは無料相談を受付中です。

一人では古文の苦手を克服できなさそう…。という学生さんはこちらもぜひ活用してみてください!

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この記事を書いた人

ベストプラン講師。偏差値55の高校に通うも、京都大学法学部にE判定から逆転現役合格。

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